廃業

かつては庶民の強い味方であった質屋

昭和30年代に庶民向けの個人ローン(サラリーマン金融)が広まる以前、庶民の金策といえば質屋でした。消費者金融などの個人ローンが個人の信用力を担保にお金を貸すのとは違い、質屋は客が持ってきた物品の価値を担保としてお金を貸すスタイルでした。

物品を担保として預かるのですから、個人ローンのような審査もなく、誰でも手軽に利用できたことから、庶民の強い味方として長年親しまれてきたのです。

質屋の歴史

質屋は1884年(明治17年)に質屋取り締まり条例が施行され、正式に法律で管理されるようになりましたが、それ以前の鎌倉時代の頃にはすでに物品を担保とする貸金業者が現れていました。当時の名称は「庫倉(クラ」と呼称されていました。その後、室町時代や江戸時代のころになると爆発的にこの質屋が増え続け、江戸時代には江戸だけで1700軒の質屋があったといわれています。

当時、預ける物品のことを「質ぐさ」と呼ばれて、衣類や装身具、武士は刀などを預けてお金を借り受けしていました。明治に入ると前述したように、質屋取締り条例が施行され、その後の1994年には質屋取締法として改正されていきました。

全国

質屋の衰退

鎌倉時代から長く続いた物品を担保としてお金を貸し付ける質屋ですが、昭和40年以降、個人の信用でお金を貸し付ける消費者金融の出現によって「庶民の金融」の座を追われ、年々その数は減少の一途をたどっています。また、物品を手軽に販売できる個人オークションやネットの普及によって、質屋の役割はもはや終えたと結論づけてもいいのかもしれません。

Sunday 18 August 2019 12.28.12